綺堂事物・三浦老人昔話<

『三浦老人昔話』を読む

　　　もくじ　
・「三浦老人昔話」とは：１２篇の刊行年代
・「三浦老人昔話」の誕生
・三浦老人の大久保百人町：　大久保のつつじ
・三浦老人と半七親分
・『昔話』をよむ　（作成中）
・参考　江戸年号と西暦の対照表　（作成中）

◆三浦老人昔話とは？ ―旧版―

「三浦老人昔話」は、１２篇のシリーズからなる作品である。関東大震災後、主に『苦楽』という雑誌に発表された作品群である。岡本綺堂満５２歳の円熟期の作品として、「半七捕物帳」よりも枯淡の味をみせており、するどい人間観察を感じることができる。
その刊行年代はつぎのようになっている。

	作品名	初出誌	刊行年
第１篇	「桐畑の太夫」	『苦楽』（創刊号）	大正１３年１月
第２篇	「鎧櫃の血」	『苦楽』	大正１３年
第３篇	「人参」	『苦楽』	大正１３年
第４篇	「置いてけ堀」	『苦楽』	大正１３年
第５篇	「落城の譜」	『苦楽』	大正１３年
第６篇	「権十郎の芝居」	『苦楽』	大正１３年
第７篇	「春色梅ごよみ」	『苦楽』	大正１３年
第８篇	「旗本の師匠」	『苦楽』	大正１３年
第９篇	「刺青の話」	掲載誌未詳	不明
第１０篇	「雷見舞」	『苦楽』	大正１３年
第１１篇	「下屋敷」	『婦人倶楽部』（創刊号）	大正９年１０月
同篇・別説**	「下屋敷の秘密」改作	『講談倶楽部』	大正７年１０月
第１２篇	「矢がすり」	『苦楽』	大正１３年

** 　『講談倶楽部』大正７年１０月掲載の「下屋敷の秘密」の改作とする説あり、尾崎秀樹「解題」大衆文学大系７.
―以下、略―